いわし花(タ二ウツギ)

 この時期になると、里山にいろんな花が咲き出しますが、中でも鮮やかなピンクで目を引くのがタ二ウツギ(谷空木)。笠島は漁師町らしく「鰯花(いわしばな)」と呼びます。魚の少ない冬の海から一気に季節が変わり、イワシが大群で押し寄せ、港が活気づくからです。亡き祖母は「ほぉら、イワシがくんどぉ」と、バケツを持って、曲がった腰のままサッサと浜辺へ向かって行きました。
 一方で「火事花」とも呼ばれ、子供の頃、タニウツギがとてもきれいに咲いていたので、山から根ごと掘ってきて鉢に植えようとしたら、母から「そんな木は植えるんじゃねぇぞ、火事になる」とひどく叱られ、山へ返した覚えがあります。火事花の理由は諸説あります。満開の様子が「火事のようだ」という景観説。「ウツギ(空木)」といって、幹の中が空洞になっている(幹を折ると、中に穴が空いているのがわかります)ので、燃えやすいという科学的な説。しかし、私が個人的に感じているのは、やはりその繁殖力だと思います。土手に咲いたタニウツギを切ると、根本から脇芽が出てきて、翌年には、さらに広がってしまいます。里山の農家にとっては、やっかいな樹木だったと思います。切っても切っても「火事のようにひろがる」というのが、私が草刈で体感している説です。
 「やっかいな樹」から、今では品種改良されて、紅白の斑入りの花も園芸店で販売されるようになりました。現代人には、ようやくその美しさが認められ、タニウツギも本望でしょう。見ているだけなら素直にきれいな花です。
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by kurosakiH | 2018-05-17 06:17 | 柏崎の里山日記 | Trackback | Comments(0)